こころのページ
「心」や「心理学」に関する新刊やセミナー情報をワンストップでお届けします。
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新刊・近刊書籍
仮)編集者の裏×裏(ウラジジョウ)
既刊本の中から、今あらためて手に取っていただきたい一冊を、刊行当時の編集者のコメントとともにご紹介します。各書籍の魅力や読みどころを、制作に携わった編集者の視点からお伝えします。
カウンセリングってなにするの?
2026年4月刊行
OECD(経済協力開発機構)の調査によると、欧米諸国では国民の10~15%が定期的にカウンセリングを利用しているそうです。それに対して日本は6%に留まるとか。一方でカウンセリングへの関心は高く、2人に1人は興味や必要性を感じているけど、そのうちの半分はカウンセリングを受けることに対して心理的なハードルや不安があるというデータがあったりします。
今回、『つれウツ』や弊社の『それでいい。』シリーズの著者である細川貂々さんに依頼して「カウンセリングの入り口」になるコミックエッセイを作っていただきました。お相手は、同じ関西で個人開業されている(そして大学でも教えている)浜内彩乃先生。偶然にも浜内先生は貂々さんの大ファンで、『イグアナの嫁』の頃から愛読していたというのはあとからわかったことです。
個人的には貂々さんはルポルタージュの名手だと思っていて、おかげさまで今回の作品も、軽やかな語り口でありつつ痒い所に手が届く(しかも最後はなぜか胸にじーんと来る)ものになったと感じています。
先ほどの調査やデータによると、「関心はあるけど行動には移せていない人」が世の中には数多くいるはず。そんな人たちの背中をそっと押すような役割をこの本が担ってくれたら嬉しく思います。(H)
試験対策&実務に役立つ! 心理学ハンディ資料集
2025年9月刊行
本書の企画・編集には複数の編集者が携わっていますが、企画の発端は、学生時代に心理学専攻であった編集者の、「学生のころにこういうテキストがあればよかったな」という思いでした。本書で取り上げている内容は、どれも心理学という学問の基礎・基本に関わるもので、心理学のたいていのテキストには掲載されていますが、そうした知見を、全編を通して図表やリストの形で提供しているものは、あまり見かけないように思います。個々の専門的な概念の意味だけでなく、概念同士の関係性や関連する概念の全体像を把握するのに、こうした形式は大変適しています。ぜひ頭の中の知識の整理に役立てていただければと思います。ほかに、「主な心理アセスメント(査定)」「主な精神科の薬」「心理職の活動に関わる主な法律」などの資料は、心理職として活躍されている先生方と話をする中で、現場のニーズとして汲み取った内容を形にしました。「心理学者一覧」や「心理学略語一覧」は、私たち編集者が心理学書の編集作業を行う中で、原語のつづりを確認するのにあると便利だなと思って作りました。試験対策や実務を中心に、さまざまな用途に応じて便利に使っていただける資料集です。とくに、心理学を学び始めた学生のみなさんには、心理学という学問の全体像をつかんでいただくのにとても便利だと思います。指導しておられる先生方には、ぜひ教科書や参考書としてのご検討をお願いいたします。
*
なお、すでに各所でご案内している通り、本書は『心理学手帳』の資料編を書籍化したものです。これまで通り、法律や統計関係の資料は最新の情報にアップデートしていますが、とくに「主な精神科の薬」は全面的に改訂を行いました。本としてのサイズは、従来のB6判からA5判へと大きくなっていますので、文字もより大きく、見やすくなっています。『心理学手帳』をご使用いただいていたみなさまには心より感謝申し上げますとともに、ぜひ引き続きのご愛顧をよろしくお願いいたします。(TK)
ユング派精神分析の四本の柱
2025年7月刊行
今年(2025年)は、何を隠そうC・G・ユングの生誕150年にあたるメモリアルイヤーです。
ユングは「フロイト・ユング・アドラー」という並びで心理学の礎を築いた偉人の一人としてよく挙げられる人物です。その名前自体はどこかで聞いたことがあると思いますが、ではそのユングが一体どういった心に関する理論を打ち立てたのか、そこまでは知らないという人がほとんどではないでしょうか。
本書の著者であるマリー・スタイン博士は、ユング派分析家の国際的リーダーとして今なお活躍されている方です。そのスタイン博士が、ユング心理学の重要なエッセンスを抽出し、四つの「柱」として解説したのがこの本です。
長年の経験や議論の中から選び抜かれた柱は、ユングの心理学に慣れ親しんでいる人にとっては「これぞまさに」というものばかりです。一方で、これから学びたいという人にとっては「まずはここから知る」のに最適な内容になっています。
訳者の大塚紳一郎さんはあとがきの中で、本書のことを「ユング派の精神分析・心理療法の教科書(その決定版)」と表現しています。また、「なぜ柱の数は四本なのか?」についても触れています。気になる方はぜひ本書を手に取ってお確かめください。
(H)
プロカウンセラーの賢く怒る技術
2025年6月刊行
ものごとの始まりには必ず何らかの出発点があって、本の企画の場合はそれが著者の発した言葉や話であるケースが多い。
今回の新刊『プロカウンセラーの人を見る技術』では「内向的人間の復権」という言葉が、もう一つの『プロカウンセラーの賢く怒る技術』では黒人の精神科医であるフランツ・ファノンの話がそれにあたる。
それぞれが点のままでは何にもならないが、やがて「性格の見方」「怒りの正体」という一本のテーマになり、シリーズの一冊として形になった。
いつも思うことだが、形にしたのは著者であり、形にすることができたのは著者の力である。この文章は「編集者の裏」を語るものだが、裏方としての私(編集者)が果たした役割なんてほぼなかったなあと毎回感じている。
ただ、もし自分がいなかったら形にはなっていなかったのかも、と思うことで少しだけ自尊感情を慰めているところがある。と同時に、読者の方に価格に見合った価値を届けられているだろうかという不安と、いや届けられているはずという自負が心の中に同居している。
―――――
ということで、新しい本が出るタイミングはいつも落ち着かない気持ちになりますが、今回も「プロの技術を生きるヒントに!」を合言葉に編集しました。皆さまの人生にきっと役立つものになっていますので、ぜひご一読ください!
(H)ものごとの始まりには必ず何らかの出発点があって、本の企画の場合はそれが著者の発した言葉や話であるケースが多い。
今回の新刊『プロカウンセラーの人を見る技術』では「内向的人間の復権」という言葉が、もう一つの『プロカウンセラーの賢く怒る技術』では黒人の精神科医であるフランツ・ファノンの話がそれにあたる。
それぞれが点のままでは何にもならないが、やがて「性格の見方」「怒りの正体」という一本のテーマになり、シリーズの一冊として形になった。
いつも思うことだが、形にしたのは著者であり、形にすることができたのは著者の力である。この文章は「編集者の裏」を語るものだが、裏方としての私(編集者)が果たした役割なんてほぼなかったなあと毎回感じている。
ただ、もし自分がいなかったら形にはなっていなかったのかも、と思うことで少しだけ自尊感情を慰めているところがある。と同時に、読者の方に価格に見合った価値を届けられているだろうかという不安と、いや届けられているはずという自負が心の中に同居している。
―――――
ということで、新しい本が出るタイミングはいつも落ち着かない気持ちになりますが、今回も「プロの技術を生きるヒントに!」を合言葉に編集しました。皆さまの人生にきっと役立つものになっていますので、ぜひご一読ください!
(H)
プロカウンセラーの人を見る技術
2025年6月刊行
ものごとの始まりには必ず何らかの出発点があって、本の企画の場合はそれが著者の発した言葉や話であるケースが多い。
今回の新刊『プロカウンセラーの人を見る技術』では「内向的人間の復権」という言葉が、もう一つの『プロカウンセラーの賢く怒る技術』では黒人の精神科医であるフランツ・ファノンの話がそれにあたる。
それぞれが点のままでは何にもならないが、やがて「性格の見方」「怒りの正体」という一本のテーマになり、シリーズの一冊として形になった。
いつも思うことだが、形にしたのは著者であり、形にすることができたのは著者の力である。この文章は「編集者の裏」を語るものだが、裏方としての私(編集者)が果たした役割なんてほぼなかったなあと毎回感じている。
ただ、もし自分がいなかったら形にはなっていなかったのかも、と思うことで少しだけ自尊感情を慰めているところがある。と同時に、読者の方に価格に見合った価値を届けられているだろうかという不安と、いや届けられているはずという自負が心の中に同居している。
―――――
ということで、新しい本が出るタイミングはいつも落ち着かない気持ちになりますが、今回も「プロの技術を生きるヒントに!」を合言葉に編集しました。皆さまの人生にきっと役立つものになっていますので、ぜひご一読ください!
(H)ものごとの始まりには必ず何らかの出発点があって、本の企画の場合はそれが著者の発した言葉や話であるケースが多い。
今回の新刊『プロカウンセラーの人を見る技術』では「内向的人間の復権」という言葉が、もう一つの『プロカウンセラーの賢く怒る技術』では黒人の精神科医であるフランツ・ファノンの話がそれにあたる。
それぞれが点のままでは何にもならないが、やがて「性格の見方」「怒りの正体」という一本のテーマになり、シリーズの一冊として形になった。
いつも思うことだが、形にしたのは著者であり、形にすることができたのは著者の力である。この文章は「編集者の裏」を語るものだが、裏方としての私(編集者)が果たした役割なんてほぼなかったなあと毎回感じている。
ただ、もし自分がいなかったら形にはなっていなかったのかも、と思うことで少しだけ自尊感情を慰めているところがある。と同時に、読者の方に価格に見合った価値を届けられているだろうかという不安と、いや届けられているはずという自負が心の中に同居している。
―――――
ということで、新しい本が出るタイミングはいつも落ち着かない気持ちになりますが、今回も「プロの技術を生きるヒントに!」を合言葉に編集しました。皆さまの人生にきっと役立つものになっていますので、ぜひご一読ください!
(H)
感情処理法で心がすっきりするノート
2025年5月刊行
大阪の臨床心理士たち総勢18名が結集して書いたこの本は、著者らが10年ほど前から続けてきた新人心理職向けの研修の内容を元にしています。読んでいると、著者自身が若手時代から現在までに失敗したり悩んだりしながら試行錯誤してきた体験から得られた学びを、それぞれの現場で今もがいて奮闘している人たちに少しでも役立ててもらえたら…という熱意がひしひしと伝わってきます。また、研修会で参加者から実際に寄せられた質問に答えるなど、心理職の皆さんの切実な疑問や悩みに本音で向き合う本になっています。
私自身は実際の研修会に参加したことはありませんが、原稿やゲラを読んでいると、先輩心理士たちが目の前の後輩に(時には過去の自分を重ねながら)語りかける声が聞こえるような気がしました。著者たちの文章(声)からは、それぞれの個性やクセも垣間見えて、そこもこの本の面白さだと思います。ちなみに、各章の始まりと終わりにはその章の著者の似顔絵がついています。
各章の終わりには、それぞれの著者の思い入れのあるおすすめの本をコメントつきで挙げてもらいました。本書の次に読みたい本もたくさん見つかると思います。
(Y)
プロカウンセラーの面接の技術
2024年2月刊行
大阪の臨床心理士たち総勢18名が結集して書いたこの本は、著者らが10年ほど前から続けてきた新人心理職向けの研修の内容を元にしています。読んでいると、著者自身が若手時代から現在までに失敗したり悩んだりしながら試行錯誤してきた体験から得られた学びを、それぞれの現場で今もがいて奮闘している人たちに少しでも役立ててもらえたら…という熱意がひしひしと伝わってきます。また、研修会で参加者から実際に寄せられた質問に答えるなど、心理職の皆さんの切実な疑問や悩みに本音で向き合う本になっています。
私自身は実際の研修会に参加したことはありませんが、原稿やゲラを読んでいると、先輩心理士たちが目の前の後輩に(時には過去の自分を重ねながら)語りかける声が聞こえるような気がしました。著者たちの文章(声)からは、それぞれの個性やクセも垣間見えて、そこもこの本の面白さだと思います。ちなみに、各章の始まりと終わりにはその章の著者の似顔絵がついています。
各章の終わりには、それぞれの著者の思い入れのあるおすすめの本をコメントつきで挙げてもらいました。本書の次に読みたい本もたくさん見つかると思います。
(Y)
プロカウンセラーの面接の技術
2023年10月刊行
ある言葉に自分なりの解釈をくっつけて覚えていることがあります。例えば、「企画は生き物」という言葉。私の場合はいつも「植物」になぞらえ、イメージしています。つまり、「アイデアという種を土に埋めて水をやって、初めて『企画』という芽が出る」という感じです。もし新芽のときに誰かに踏まれてしまうと枯れてしまったり、大きな木に育てるためには肥料をあげたり、周囲の雑草を抜いたり、とにかく手間とひまがかかります。
『プロカウンセラーの聞く技術』は2000年の刊行から20年以上、累計45万部を超え、今なお読み継がれている弊社のロングセラーです。これまでに『プロカウンセラーのコミュニケーション術』や『プロカウンセラーの共感の技術』など、さまざまな続編が生まれ、タイトルにある通り、その道のプロであるカウンセラーが豊かな人間関係を築くためのスキルを平易な言葉で説いてきました。言うなればこのシリーズは、長い年月を経て、多くの人の力を借りながら枝分かれをして育った大切な木なのです。
この『面接の技術』が太い枝になって、ますます「この木なんの木」の木のよ
うに(たとえが古いですが)大きく育つことを願っています。
(H)
心理療法の精神史
2023年5月刊行
いま話題のChatGPTに本書を教えてもらうと、以下のとおりでした。内容の一部
および著者情報、目次を提供したうえで、文章には一切手を加えていません。
***
『心理療法の精神史』は、心理療法の歴史を扱った山竹伸二氏の著書です。本書
では、心理療法の発展の歴史的背景や、心理療法における理論的な変遷、そして
現代の心理療法の主要なアプローチについて解説されています。著者は、心理療
法が発展する過程で現れた様々な理論や手法の特徴や欠点、相互関係を丁寧に取
り上げ、その背景にある哲学的、文化的な背景にも触れながら、心理療法の発展
についての豊富な知見を提供しています。また、著者自身が心理療法における現
象学的なアプローチを重視しているため、心理療法において問題となる、主体性
や自己同一性、そして治療効果の評価などについても、精緻な分析がなされてい
ます。本書は、心理療法を取り巻く歴史的背景や理論的な変遷を知りたいという
人や、心理療法に携わる人たちにとって非常に有益な一冊となっています。
***
おお……、すこし違和感はありますが、大筋はこのとおりです。特に後半部分は
内容紹介にも書いていません。すごいですね。
しかし、私と著者の馴れ初めの話は、さすがにAIも知らないようでした(ただ、
こういう遊びも、もうこの時点で古くなっていますし、馴れ初めもただちに捕捉
されるのだと思います)。
14年ほど前、今は亡き文芸評論家の加藤典洋さんと、飲み会でご一緒することが
ありました。加藤さんは「呑みの場で俺に企画の話とかしてくるんじゃないよ」
と、浅はかな編集者の思惑に、兄貴的心得の先制パンチをしてこられました(そ
の後は加藤さんのボクシング話を聞くことに終始しましたが、それが本当に面白
かった!)。その飲み会に、たまたま以前から面識のあった山竹さんもいらして
おり、「ただでは飲んで帰るまい」という意識が私にあったのか、まずは新書を
一冊依頼差し上げたのが馴れ初めです。
長い時を経て、あらためてご一緒できたことをうれしく思っています。
(YS)
コンスピリチュアリティ入門
2023年3月刊行
本書『コンスピリチュアリティ入門』は、社外の編集者であるT氏のご企画で、編集もT氏が担当されています。私、編集Aは編集部に在籍しているものの、おもな業務は広告まわりやセミナー運営。今回はサポート的な役回りとはいえ、一冊の本の編集に通しで関わったのははじめて経験でした。ひとまず形になって、ほっとしています(まだ緊張しています)。
*
本書のタイトルになっている「コンスピリチュアリティ」という言葉は、おそらくほとんどの人にとって耳慣れない言葉かと思います。これは「陰謀論=コンスピラシーセオリー」と「スピリチュアリティ」を合体させた造語で、研究者らによって提案されてから10数年しか経っていないという、まだまだ生まれたホヤホヤのピカピカの概念です。
そうしたできたてホヤホヤの言葉で何が分かるのか、については上記のURLをクリックいただければありがたいです。昨年から続く、政治や宗教をめぐるさまざまな動向に道筋をつけるうえで参考になる(とともに課題もある)アプローチの一つではないかと思います。
*
本書の売りは、そうしたアクチュアルなテーマである点とともに、錚々たる執筆陣による論集である点があげられます。西洋オカルティズム研究の大家、第一線の宗教研究者、気鋭の陰謀論ライターまで。ときに矛盾さえはらむような多角的な考察によって、陰謀論+スピリチュアリズムの最前線の光景を読者の皆さまにもお届けできるのではないと思います。
*
というわけでお届けできるまであと少し。緊張しつつがんばります。
(A)
BTS、ユング、こころの地図
2022年5月刊行
「BTS」と聞くと、どんなイメージを持たれるでしょうか。いまやグラミー賞にもノミネートされるほどの地位を築いた彼らですが、それでも多くの人は「近頃人気のK-POPアイドル」という程度の認識なのではないでしょうか。
私もそんな「多くの人」の一人でした。しかし、BTSのアルバムがユング心理学を題材にしていることを偶然知り、「もしかして関連書が出ているのでは」と思って調べ始めたことが本書刊行のきっかけになったのでした。
*
そのアルバムが『MAP OF THE SOUL:7』で、そのコンセプトのもとになったとされる本が『Jung’s Map of the Soul(ユング 心の地図)』です。本書は、その著者であるスタイン氏がアルバムを読み解き、「ペルソナ」「影」「自我」という切り口からユング心理学を概観したもので、BTSファンはもちろんのこと、ユング心理学に興味がある人にもおすすめできる一冊です。
*
さて、最初はBTSの写真を見てもメンバーの見分けがまったくつかなかった私でしたが、本書の制作を進めるにあたりさすがに少しは勉強しなければ……と、なかば義務感から彼らの曲を聴いたり映像を見たりするようになりました。
そして気づいたときにはすっかり「沼落ち」し、仕事そっちのけで彼らを追うようになっていました。本書でも詳しく述べられているとおり、BTSの創造力と求心力には目を見張るものがあります。
*
そんなふうに、たとえBTSをよく知らなくてもその魅力を、ユング心理学をよく知らなくてもその奥深さを、それぞれ発見できる本になっているのではないかと思うので、ぜひお気軽に手にとってみていただけたらうれしいです。
(G)
認知能力と学習
2021年2月刊行
この「ふたご研究シリーズ」の監修者で自らも多くの章を執筆されている安藤寿康先生のお名前を初めて聞いたのは、たぶん2007年か2008年ごろ、とある心理学専門書の編集会議の場であったと思う。先生方と新企画の構成案や執筆候補者について話し合っていたところ、「その内容だったら、慶應のあんどう・じゅこうさんがいいんじゃない?」と一人の先生がおっしゃった。「ほら、ふたご研究のさ、知らない?」。私も他の先生方も、きょとんとしていた。日本にふたご研究(行動遺伝学)を専門とする研究者は多くない。何より研究のスタートとなるふたごのデータを得ること自体が簡単ではない。研究を継続するにも、資金の獲得や体制の構築などで長く地道な努力を要する。学内で学生たちに声をかけて数時間の実験・調査に付き合ってもらい、それですぐ論文が書けるようなものではない。
*
安藤先生との交流はその心理学専門書から始まり、その後、安藤先生は『遺伝子の不都合な真実』(ちくま新書)、『日本人の9割が知らない遺伝の真実』(SB新書)、『なぜヒトは学ぶのか』(講談社現代新書)と一般向けの新書をコンスタントに書かれ、創元社からも『「心は遺伝する」とどうして言えるのか』を刊行することができ、ふたご研究の成果はずいぶんと知られるようになったと思う。そして、出会った当初からお願いしていた、ふたご研究の全貌を主要なテーマごとに紹介する専門書シリーズも、こうして第1巻を刊行できる運びとなった。現在、第2巻『パーソナリティ』、第3巻『家庭環境と行動発達』も進行中である。
*
「生まれか育ちか」「遺伝か環境か」という問題は古くて新しいもので、ふたご研究はこれに一定の確かなエビデンスを提供することができる。教育心理学や社会心理学、発達心理学の文脈で取り上げられることが多いが、近年は格差社会や貧困の問題への関心から経済学や社会学などの注目も集めている。もちろん生物学や医学とも深いつながりがある。このシリーズは、専門書ではあるものの、順を追って丁寧に読み進めていけば、ふたご研究の専門家でなくても十分理解できる記述となっている(それを目指した)。ふたご研究の知見を自身の研究に生かしてみようという研究者の方々、安藤先生の新書を読んでより専門的な議論に触れたいと思われた方々、ぜひ多くの方々に手に取っていただければと思う。人間の身体的特徴だけでなく、知能や学業成績、性格、精神疾患、攻撃性など“心”もまた遺伝する。これはふたご研究が一貫して示してきた紛れもない事実である。大事なのは、その事実が意味するところをしっかり理解した上で、そこから先をどう考えるか、である。
(TK)
空気が読めなくても それでいい。
2020年12月刊行
「それでいい。」シリーズが立ち上がったのは2017年6月。第1作の『それでいい。』から『やっぱり、それでいい。』『生きづらい毎日に それでいい。実践ノート』『夫婦・パートナー関係も それでいい。』とシリーズ・ラインナップも増えてきました。おかげさまで好評をいただき、シリーズ10万部を突破しています。そしてこのたび12月に、第5作目『空気が読めなくても それでいい。』が発売となりました。
*
今回、取り上げるテーマは「非定型発達」です。あまり聞きなじみのない言葉かもしれません。それはいわゆる病名のつく「発達障害」ではないのですが、日常さまざまな生きづらさを抱える「グレーゾーン」と言われ、昨今注目されています。自分がなぜか周りと違って普通にできないこと、自分の周りの空気の読めない人……。実は多くの人に関係しているといわれながらも、意外に気づかれていないその特質を、「対人関係療法」の第一人者で精神科医の水島広子先生が、数多の臨床経験から解説します。その内容は専門的でありながらも、『ツレうつ』の細川貂々先生がコミックエッセイ化しておりますので、読者のかたに理解していただきやすい内容ともなっております。
*
いろいろ敏感/マルチタスクが苦手/計画外のことに弱い/ifの話が苦手/顔の見えないコミュニケーションが苦手/グループに入っていけない/あいまいなのが苦手……などなど、自分もしくは身の周りで思い当たるひとはいないでしょうか。この知識を持っておくだけで、水島広子先生いわく、「もう本当に人生の質が変わります」。
(YS)
夫婦・パートナー関係も それでいい。
2019年12月刊行
「それでいい。」シリーズが立ち上がったのは2017年6月。旧作の『それでいい。』『やっぱり、それでいい。』、スピンオフともいえる『生きづらい毎日に それでいい。実践ノート』とシリーズ・ラインナップも増えてきました。おかげさまで好評をいただき、シリーズ10万部を達成することもできました。
そしてこのたび12月に、第4作目『夫婦・パートナー関係も それでいい。』が発売となりました。テーマはシリーズ同様「自己肯定感」をベースにしながらも、「夫婦やそれに限らないパートナー関係」に主眼を置いています。性別、国籍、おひとりさま……。多様な価値観の時代に、パートナーの存在や関係性で生きづらさを感じているかたにこそ、ぜひ読んでいただきたいです。
そうしまして、第5作目もまさにただいま企画書制作中です。シリーズ同様、みなさんの毎日の生活に役立てていただけるものにできればと思っております。
(YS)
セミナー・イベント
よみもの:創元社note部
ちょっと詳しく知りたい人の精神分析入門season3【筒井亮太×浜内彩乃】
臨床心理士・公認心理師の筒井亮太先生が精神分析における自我心理学派の変遷について詳しく語ります。【聞き手】浜内彩乃(大阪・京都こころの発達研究所 葉)
ちょっと詳しく知りたい人の精神分析入門season2【筒井亮太×浜内彩乃】
臨床心理士・公認心理師の筒井亮太先生が精神分析における独立学派の変遷について詳しく語ります。【聞き手】浜内彩乃(大阪・京都こころの発達研究所 葉)
ちょっと詳しく知りたい人の精神分析入門【山崎孝明×浜内彩乃】
臨床心理士・公認心理師の山崎孝明先生が精神分析理論の変遷について詳しく語ります。【聞き手】浜内彩乃(大阪・京都こころの発達研究所 葉)
〇〇×シンリガク――小さな日常を〈心理学〉する
エビチリ、体育座り、ウォーターサーバー、Excel、狂犬、ヤンキース――日常生活の小さな一コマを臨床心理学の視点から考えてみたら一体何が見えてくるでしょうか。
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『こころと出会うためのC.G.ユングの言葉100』オーサーズトーク#01 「夢は何と言っていますか?」
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